成城の家 3棟建売


■Text

初めての建売住宅の計画。3棟並びの計画であることで敷地の分割ラインから再設定した。3棟分の敷地を単純に短冊状に切っていくと駐車スペースにより建物形状が不整形になることから、建物が整形になるように逆に敷地境界を調整した。3棟建売であるからこそできたことである。敷地は風致地区で、道路境界線から2m、隣地境界線からは1.5mのセットバックを要求されている。つまり隣地間は建物同士が3m離れていることになり、その余白は前面道路側の2mの空地以上に魅力的に思えた。その余白を隣地同士で共有できるように塀を設けず、庭として植栽を施し、それぞれ庭側に開口を積極的に設けた。ただし庭を介しての見合いが無いようにリビングが1階のA棟は1階に窓を、リビングが2階のB棟は2階に窓を配置させた。階ごとに見合いがないため、各棟がその余白を視覚的に専有できている。


■Data

東京都世田谷区

木造2階建

1号棟延床面積101.97㎡

2号棟延床面積101.98㎡

3号棟延床面積 99.72㎡

2013年12月竣工

撮影:藤井浩司/Nacasa&Partners


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