古河

親戚がもつ年に数回しか使わなくなった住宅がある。
木造住宅の設計で有名な建築家の吉田桂二氏の設計。
茨城県の古河市に多くの作品があるうちの一つである。
幾つかの棟が緩やかに連なり豊かな表情をみせる。


門を入ったところから

親戚が夏の花火と年末年始に集まる場所として使っていたが
そろそろ手放したいということになり土地、建物で売ることになった。
1年ほど前から不動産に出していたようだが、買手が見つからないとのこと。
話しを聞いてるうちに建築家設計の物件だということを知る。
土地のサイズが365坪と大きいことから、建売業者などがはいり解体、土地の分割が行われることもあり得る。事実近所でもミニ開発が行われた区画がある。
築22年で解体されるにはあまりにももったいないので、
どうにか出来ないかと、いつも不動産関係をお願いしている仲間と実物を見に行った。



多少の傷みはあるものの
室内も丁寧に設計されたことが良くわかる。
なんとか残せないものか自分が動ける範囲で動いてみたい。
もちろん自分は不動産屋ではないので、限界があるのだが・・。

以前も200年住宅についてブログで書いたように、建替えのサイクルは日本は平均31年。これは建物の寿命ではない。
住み手の都合による。ただ、それは仕方がないこと、だからこそバトンリレーしたい。
建て主や建築家が思いを込めて作った家ならば、同感できる人は必ず居る。
そのような「想いが同じ人」でのバトンリレーできればと考えています。

建築設計に携わる人間として、土地に乗る上物を壊して設計することも少なくない。壊れるからお前の仕事が生まれるのだろうと言われても仕方がないですが、
設計以前に良い建築を見ることが好きであって、当然それは壊れてほしくないと思うものなのです。