梅が丘アパートメント


■Text

敷地は緑豊かな保育園の園庭が隣接していることから、街なかであるにもかかわらず開けた周辺環境が獲得できていた。ただ敷地は道路に越境している古い擁壁の上でだった。まずはその擁壁を撤去し道路に面した半地下住戸を計画し、その躯体で背後の土圧を受けることとした。上階の木造住戸は片廊下で短冊型の住戸配置では細長い不快な住空間になってしまうため、アプローチを丁寧に計画することで地上階の住環境の改善を試みた。上階の木造住戸は分割し、路地状の隙間を設けた。その隙間を住戸のアプローチとした。路地は正面に隣地の保育園のシンボルツリーが来るように位置を決めた。アプローチを挟み、街に開くように配置された住戸の多くが角部屋隣複数の窓を持つ。開けた周辺の環境を、光と風と共に楽しむことができた。

道路に面した住戸を地下扱いにすることにより、建蔽率、容積率、建物高さの法的緩和が得られ、土地の持つ隠れたポテンシャルを引き出すことができた。

各住戸は様々なバリエーションがある。メゾネット住戸、広いロフトを持つ住戸、吹抜けにハンモックチェアのある住戸もある。道路に面した地下住戸はダイレクトに街に面している。ホームオフィスとしての利用にも向いている。


■Data

東京都世田谷区

共同住宅8戸,長屋3戸

地下1階RC造,地上木造2階建

延床面積243.93㎡

2019年1月竣工

撮影:小出薫


■Press

web

architecturephoto.net 掲載



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