尾山台すくすくクリニック


■Text

児童青年精神科専門のクリニック。患者である子ども、その親にとってもリラックスできる空間を心がけた。待合にあるアルコーブ(壁の一部が凹んだ空間)は入口を小さく絞ることで、子どものためのキッズスペースであることを自然と伝えている。初めて来院した子どもでもこのアルコーブに吸い込まれていく。カーペットの壁にもたれる、段差で座るなど自由な姿勢でくつろぐことができる。また患者の快適さもさることながら、常に患者に接している医師,心理士,スタッフが快適でいられる環境をつくることも必要と思われ、むしろ結果的にそれが患者へのサービスに繋がると考えた。窓に面した一番明るい部分に診察室を配置した。診察室、心理室等は用途的に閉じた部屋となる。本計画では閉じた部屋を片側に寄せて木の壁の中に納めた。木壁内の床のカーペットは各部屋ごとで色を変えている。子どもに何をする部屋だったかを覚えやすくしている。扉にはその部屋ごとの床材を埋め込んでいるのも、文字の読めないこどもには明快なためである。


■Data

東京都世田谷区

リノベーション

診療所

児童専門精神科心療内科

床面積72㎡

2006年3月竣工


■Press

magazine

「建築知識」2020年4月号 エクスナレッジ       掲載



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